内装の仕上げに無垢材を使用することは、ナチュラルで落ち着いた雰囲気になりますし、木の香りが部屋中に広がってリラックスできる空間になるので大変お勧めです。和室の造作はもちろんのこと、洋室でも天井や腰壁、フローリング、また階段材や建具などに良く用いられますが、今回はある事例をお話しします。
写真はキッチンのレンジフードの天井部分です。スタイリッシュなステンレスのレンジフードと無垢の天井板がとても良い感じだと思います。また全体を見渡すと塀や建物の外壁、軒、窓の縦格子や玄関ドア、内部までふんだんに無垢材を使用した和モダンな邸宅。ご夫婦で木がとてもお好きなんだなぁと感じます。
ところが1年か2年目の定期点検時にお客様からご相談がありました。板塀の板が割れたり、節が抜けたり、オイルステインの塗装が褪せてきた。またキッチンのレンジフードと天井の境目に染みが付いてきた。あとは小さなお子さんがヒノキの柱に落書きをしてしまったなど。
板塀については、多少の割れや反りなどがおこる木の性質について、節が抜けてしまう死節を使用していたことについては材種、等級など当時のご予算との兼ね合いもあります、担当がそこまでご説明できていたかどうか、外部木部は出来れば年に一度くらい保護塗料の塗装をした方が良いなどなるべく丁寧にご説明させていただき、こちらで出来ることは補修や塗装などさせていただきました。
柱の落書きは鉋である程度削って消えましたが、問題はレンジフード部分の染みです。メーカーにも確認、換気扇を使用すると室内は負圧状態になり、天井とレンジフードカバーの境目に少し隙間を設けていて、そこからも空気を吸い込むので調理時にでた油分が天井に付いてしまうのだそうです。こまめにお掃除していただくしかないとの事。
結局、ご説明して石鹸水などである程度きれいになりましたが、今後のお手入れも大変だと思います。他の件のご説明とある程度作業させていただいてご理解いただけましたが、木の性質などについて、お客様からは「そうなんですね、初めて聞きました。説明していただいてありがとうございます。」
無垢材について新築時に良い所ばかりでなくデメリットの部分やメンテナンスについてしっかりとご説明した上で選択していただく様にしてもらいたいと思いました。
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